明日から生き方が変わる(かもしれない)映画『メッセージ』

映画『メッセージ』を観てきました。

映画『メッセージ』オフィシャルサイトより

ものすごーく大雑把にいうと“地球外生命体とのコンタクトのお話”(端折り過ぎw)でした。

賛否両論あるでしょうが『インターステラー』とか『ツリー・オブ・ライフ』とかが好きな人(私か!)にはオススメです。

『ツリー・オブ・ライフ』に出てきたサンクスギビング・スクエア教会のステンドグラス, This photo of Thanks-Giving Square is courtesy of TripAdvisor

ただキレイな画なんじゃなくて、言葉にすると陳腐過ぎるんだけど、親になって初めてわかる愛しいわが子への際限のない慈しみの気持ちが滲み出して滴り落ちているかのようなキラキラした映像の連続に胸がきゅーっとなりました。

ジャンルはSFだけどどちらかというとファンタジー寄り(オチがね)で、言語学者が主人公という点も言語好きな私としては楽しめたポイントです。

私は日本の高校を卒業後イギリスの大学に進学したのですが、それまでの「言わずもがな」とか「沈黙の美学」的な“慮る”要素の強い言語環境(=日本)から「わからないのがデフォルト」「分かり合えない前提を踏まえて、それでも理解したいと手を伸ばし合う」異文化/異言語空間(=イギリス)に身を置いたことで、コミュニケーションの基本姿勢というものを深く学びました。

違いを見つけて批判・攻撃するためでなく、違いを認めて理解・協力するために言葉やコミュニケーションはあるんだよね、たとえそれが宇宙人相手であってもね。

他にも、サピア=ウォーフ仮説とか、パズルのピースの話とか、筒井康隆的なアレ(ネタバレ!)とか、私的に怒涛の気づきの連続だったのですが、この映画の視聴後感想を一言にまとめるとするならば「一瞬一瞬、感じていることや思ったことを、素直に伝える人生を生きよう」と反省と自戒と神妙さを込めて思ったのです。

これってひとりではできないこと。必ず相手がいなければ。隠れコミュ障さんにとっては、間違いなく大きなチャレンジです。

そんな想いで明日から過ごしていこうと思うので、明日から人生変わっちゃうかもしれません!!!

article no. 016

桜を見ると思い出す

通勤途中に通る道に咲く桜たちが「おいでおいで」してました。

桜 写真

長い冬の間、ひそやかに、しかし、ふつふつと、新たなる生命の息吹をその幹や枝に蓄えて漲らせてきた桜たち。その生命力を爆発的に炸裂させるときがきてよかったね。今年も私たちの目を楽しませてくれてありがとう。

オーラソーマ・カラーケアシステムでは、マジェンタが「日本、そして日本人の質を表す色(チベットも同じ)」と言われますが、ほとんど白く見えるほどの淡い淡い薄桜色にも、私は日本および日本人らしさの一面を強く感じます。国花だから当然か!

ピンク色が表す「無条件の愛」を超越した「愛そのもの」のような。「惜しみなく生きる歓び」と「それ以外の余計なものを全部手放す潔さ」も感じられて。儚くて可憐なんだけど、凛として強い。さふいふ女に私もなりたひ。

今日は桜を見ると思い出す本のことを書こうと思います。

桜の森の満開の下 書影

高校生の頃好きだった作家、坂口安吾の作品『桜の森の満開の下』

安吾の作品には『白痴』『風博士』『堕落論』など面白い作品がたくさんありますが、個人的にいちばん好きなのは『青鬼の褌を洗ふ女』です。

でも、物語や日本語の文体の凄みのある美しさと、色鮮やかに瞼の裏に浮かぶような情景が圧倒的な『桜の森の満開の下』は別格な印象があります。

物語は、鉄のように冷たく残忍な心をもった山賊が、美しくも残酷な女に惚れて、女のために自分でも思いがけないことをしてしまうお話。

叶わぬ恋をして自分を下に置き、相手を喜ばせるために自分が望んでもいないことを繰り返していく山賊の姿が、哀しく、また思い当たるふしもあったりなかったりするような(笑)、いつかの自分の姿を見ているようでもあります。

人を愛すれば愛するほど、己の孤独に直面せざるをえなくなり、終いには、相手を憎んだり、相手に怯えたり、わけがわからなくなってしまう。

そんな山賊の姿は、まるで泣き叫ぶ赤子のようで、その醜態がかえっていとおしくて、そこに「はっ」とさせられるような美を見出します。

中学生の頃大好きだった梶井基次郎の『桜の樹の下には』を読んだときにも桜の花はおそろしく人を不安にさせるもの、という強烈なイメージを抱きました。そして、その樹の根元にある屍体のイメージも!

美しいものってなんだか怖いんです。

洋の東西を問わず神話や古典の中で描かれる美しいものって慕われ憧れられる存在でありながら同時に畏怖の対象でもあるんですよね。

美しいものって、自分の美しさを知りぬいていて、その前にひとりで投げ出された人間は、己の醜悪さや孤独をまざまざと見せつけられてしまうから、おそれおののかずにはいられないのかもしれません。

美しさに魅せられて、精魂尽き果てるまで愛しぬいても、相手の愛が手に入らなければ、狂気の垣根を越えることなんていとも簡単なこと。

これは、冷たすぎて火傷するような性質の孤独に関する物語。美しくてとても痛い。そして、麻薬のような味わいがある(…味わったことないけど!)

以上、uniちゃんによる私的解釈の『桜の森の満開の下』の感想でした。

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article no. 011